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鹿 児 島 弁 ネ ッ ト 辞 典 「わっぜか」

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  2. 「い」から始まる鹿児島弁

い
【意味】
 ~に
【由来/語源】
 「に」の転訛です。
【用例】
 じさんな山い行っきゃしたど。(祖父さんは山に行かれましたよ。)

い
【意味】
 結(ゆい)・労力交換
【由来/語源】
 「結(ゆい)」の転訛です。
【用例】
 田植えやら、稲刈いのとか、ごじゅで、いをすいもんじゃした。(田植えや稲刈りの時は、集落で、労力交換をするものでした。)

いー・いい
【意味】
 悔しいときや怒るときに発する声
【由来/語源】
 「いー」と言う時の口の形は、歯噛みする時の口の形です。したがって、「いー」とは、悔しがって歯噛みすることです。
【用例】
 まこてはがいか。いーちなったが。(本当に歯痒いよ。歯噛みしたよ。)

いい
【意味】
 要る
【由来/語源】
 「要る」の転訛です。
【用例】
 こんごら、ないもかいも、ぜんがいいごっないもした。(この頃は、なにもかもお金が要るようになりました。)

いい
【意味】
 炒る
【由来/語源】
 「炒る」の転訛です。
【用例】
 ごいとおかべんいいたくい(苦瓜と豆腐の炒り上げ)、すなわち、ゴーヤチャンプルーのことです。

いいぐっ・いいとぐっ
【意味】
 入口
【由来/語源】
 「入り戸口」の転訛です。
【用例】
 おはんげん、いいとぐち、立て掛けえたで、見っみやったもし。(御宅の入り口に立て掛けておきましたから、見てみて下さい。)

いいこ
【意味】
 いりこ
【由来/語源】
 「いりこ」の転訛です。「り」が「い」に転訛しています。
【用例】
 「よかあっじゃー。そめんのしたっは、ないでだすといやしたや?」「いいこと、こっのはじゃんど。」訳文「いい味だー。素麺のつゆは何で出汁を取られましたか?」「いりこと昆布ですよ。」

いいねこ
【意味】
 他所から入り込んできた猫
【由来/語源】
 「入り猫」の転訛です。
【用例】
 「いいねこは、まんがえちゅもんど。」訳文「入り猫は、縁起がいいと言いますよ。」そうです。鹿児島では、このように言われています。

いいめ
【意味】
 出費・経費
【由来/語源】
 「要り目」の転訛です。
【用例】
 しがちゃ、ないやかいや、いいめがかかっ、のしもはんがお。(四月は何やらかやら、出費が増えて、大変ですよ。)

いいもん
【意味】
 転入者
【由来/語源】
 「入り者」の転訛です。
【用例】
 いいもんじゃっで、いつなれば、じごろいないがなっどかい。(転入者だから、いつになったら、地元民になれるだろうか。)

いいやし
【意味】
 卑しい
【由来/語源】
 「卑しい」の転訛です。
【用例】
 くっがいいやし。(食いしん坊である。)

いいやな
【意味】
 厭な
【由来/語源】
 「厭な」の転訛です。
【用例】
 いいやなこった(厭なこった)

いえうつい
【意味】
 転居
【由来/語源】
 「家移り」の転訛です。「やうつい」とも言います。
【用例】
 「いえうついしたとか、いっき、ゆうびんきょき、とどけいかんな、届かんごなっど。」訳文「転居した時には、すぐに郵便局に届けておかないと、(郵便物が)届かなくなるよ。」

いお
【意味】
 魚
【由来/語源】
 古いことばの「いを」が由来です。「いを」は魚という意味です。 
【用例】
 も、ぼっぼ、いおういどんのきやい頃じゃらしもはんめかい。(もうそろそろ、魚売りの回って来られる頃じゃないでしょうか。)

いおっ・ゆおき・ゆおっ
【意味】
 遺言
【由来/語源】
 「言い置き」の転訛です。
【用例】
 いおきしじっで、おいがけしんだとか、きょでなかゆせえよ。(遺言を残しておくから、俺が死んだ時は、兄妹仲良くしなさいよ。)

いかい
【意味】
 錨
【由来/語源】
 「錨」の転訛です。「り」が「い」に転訛しています。
【用例】
 うんのなけ、いかいがいかっちょっ。(海の中に、錨が埋まっている。)

いかい・いかっ
【意味】
 埋まる
【由来/語源】
 「埋(いか)る」の転訛。
【用例】
 「すんがいかっちょっ。(炭が埋み火になっている。)」

いかげん
【意味】
 相当に
【由来/語源】
 「好い加減」の転訛です。
【用例】
 いかげん、よくろたごっあっで、ぼっぼっ、船を出そかい。(相当酔っ払ったみたいだから、そろそろおいとましようか。)

いかげんな
【意味】
 いい加減な・適当な
【由来/語源】
 「いい加減な」の転訛です。
【用例】
 いかげんなこつゆな。(いい加減なことを言うな。)

いかなき
【意味】
 産声
【由来/語源】
 「いか」は「赤ちゃん」のことです。赤ちゃんの泣き声から「産声」の意味で使われるようになりました。甑島で使われることばです。 
【用例】
  

いかなこて
【意味】
 まさか・よもや
【由来/語源】
 「如何な事に」が訛ったことばです。 
【用例】
 わがかあ、ゆでけたこっじゃっで、いかなこて、けわすいめだい。(自分から言いだしたことなので、よもや忘れはしないだろう。 

いかならん
【意味】
 行けない
【由来/語源】
 「行きは成らぬ」の転訛です。鹿児島方言では、「〜できない」ことを、「〜ならん」と言います。他に、「しあならん(することができない)」、「きあならん(来れない)」などがあります。
【用例】
 おや、いかならんで、すまんどんいたっくれんか。(俺は行けないから、済まないけど、行ってくれないか。)

いかむん・いかもん
【意味】
 荒物・いかもの
【由来/語源】
 「如何物」の転訛です。
【用例】
 いかもんぐれ(ゲテモノ食い)

いかもんぐれ
【意味】
 如何物食い
【由来/語源】
 「如何物食い」の転訛です。
【用例】
 いかもんぐれち、ゆもんどんかあ、蛸やってん、アメリか行けあ、いかもんぐれやんであ。(ゲテモノ食いと言うけど、蛸でもアメリカに行けば、ゲテモノ食いですもんね。)

いがわ
【意味】
 井戸
【由来/語源】
 「井川(いがわ)」の意。鹿児島では「いがわ」、南薩では「かわ」、大隅では「つり」と言います。
【用例】
 いがわんみず、汲ん来やんか。(井戸水を汲んで来てくれないか。)

いかん
【意味】
 いけない・駄目である
【由来/語源】
 「いかぬ」の転訛です。
【用例】
 そんたいかん。(それはいけない。)

いかんした
【意味】
 床下
【由来/語源】
 「床の下」の転訛。鹿児島方言では、しばしば「ゆ」は、「い」に転訛します。他の例として、「いっがね(指輪)」、「いめし(夕ご飯)」などがあります。
【用例】
 「ゆべは、いかんしたを、はいねこがすばとっさるっ、いっちゃん寝がならんじゃった。」訳文「昨夜は、床下を盛り猫が走り回って、少しも寝られませんでした。」

いがんよ
【意味】
 いがみ合う
【由来/語源】
 「いがみ合う」の転訛です。
【用例】
 あんしゃ、さけいさけでいがんよおんど。(あの人達は、境界争いでいがみ合っていますよ。)

いき
【意味】
 瞬間
【由来/語源】
 「いきなり(突然の意)」の「いき」か?
【用例】
 おはんな、きたいき、なゆゆとや。(あなたは、来た途端、何を言うのか。)

いきい・いきっ・いぎっ
【意味】
 生きる
【由来/語源】
 「生きる」の転訛です。
【用例】
 いぎっちょいさっさは、気張らんななあー。(生きてるうちは頑張らないとなあ。)

いぎれ
【意味】
 注連縄
【由来/語源】
  
【用例】
 しょがち、いぎれをはっ。(正月に注連縄を張る。)

いくい・いくっ
【意味】
 埋める
【由来/語源】
 「埋(い)くる)」の転訛です。
【用例】
 ごぼやら、にじんなんども、いくいいけば、もてもんど。(ゴボウやら人参なども、埋けておけば、もちますよ。)

いくさ
【意味】
 ようこそ
【由来/語源】
 「ようこそ」の転訛です。
【用例】
 いくさおさいじゃいもした。(ようこそおいでくださいました。)

いくよさ
【意味】
 幾夜・幾晩
【由来/語源】
 「よさ」は、夜を数える助数詞です。「ひとよさ(一夜)」、「ふたよさ(二夜)」と数えます。
【用例】
 いくよさもいくよさも、ねいがならんひがつづっもした。(幾晩も幾晩も、眠れない日が続きました。)

いけな
【意味】
 どんな
【由来/語源】
 「如何(いか)な」の転訛です。
【用例】
 いけなこっな。(どんな具合ですか。)

いけほい
【意味】
 墓穴堀り
【由来/語源】
 「埋け掘り」の転訛です。
【用例】
 むかしゃ、土葬ばっかいじゃしたで、いけほいがあいごした。(昔は土葬ばかりでしたから、墓穴掘りがありました。)

いけほいどん
【意味】
 

墓穴を堀る人  
【由来/語源】
 

「埋け掘り殿」の転訛です。
【用例】
 

むかしゃ、土葬じゃしたで、はかほいどんがおいやいもんじゃしたげな。(昔は土葬でしたから、墓掘り人がおられたものだったそうです。)


いけん
【意味】
 如何に・どう
【由来/語源】
 「如何に」の転訛です。
【用例】
 こんた、いけんしてんしがならんがお。(これは、どうしてもすることが出来ないですよ)

いけんこげん
【意味】
 どうのこうの・とやかく
【由来/語源】
 「いけん」は「如何に」の転訛、「こげん」は「此んなに」の意味で、韻を踏ませています。
【用例】
 いけんこげん、よんごをいやいもんじゃっで、いっこまとまらじ、今じゃった。(どうのこうの、横槍を入れるものだから、一向にまとまらず、今でした。)

いけんしてん
【意味】
 どうしても
【由来/語源】
 「如何にしても」の転訛です。
【用例】
 いけんしてん、しあならん。(どうしても、する事が出来ない。)

いけんすも
【意味】
 どうしようにも
【由来/語源】
 「如何に為るも」の転訛です。
【用例】
 いけんすも、しあならん。(どうしようもない。)

いけんでんこげんでん
【意味】
 どうでもこうでも・滅茶苦茶に
【由来/語源】
  
【用例】
 いけんでんこげんでんしっもろたち、こまんど。(どうにでもこうにでもしてもらっては、困りますよ。)

いけんもでけん
【意味】
 どうにもならない
【由来/語源】
 いけんもできないの転訛です。
【用例】
 そげんゆたち、はんな。いけんもでけんがな。(そう言ったって、あなたも。どうにもできないがね。)

いこ
【意味】
 鱗(うろこ)
【由来/語源】
 古語「いろこ(鱗のこと)」の転訛。転義して、頭髪の「フケ」のことも言います。
【用例】
 「いこんちた、ちきい(鱗の付いた秤)」は、昔のいねうい(魚の行商人)の秤を表します。

いごかす
【意味】
 動かす
【由来/語源】
 「動かす」の転訛です。
【用例】
 こんたおびで、ひといでいごかっがなっか?(これは重いから、一人で動かせるか?)

いごこっ
【意味】
 居心地
【由来/語源】
 「居心地」の転訛です。
【用例】
 いごこっがえで、ごろいとすんつっもした。(居心地がいいので、とうとう住み着きました。)

いごっ
【意味】
 不平・小言・文句
【由来/語源】
 「言(ゆ)い事」の転訛です。
【用例】
 しごちゃせじ、いごっばっかいゆ。(仕事はせずに、文句ばかり言う。)

いごっ
【意味】
 動く
【由来/語源】
 「動く」の、イ音便化です。「う」や「ゆ」は、しばしば「い」に転訛します。
【用例】
 いっが、いごっや?(指が動くかい?)

いごっばったいせん
【意味】
 全く動かない
【由来/語源】
 「いごっ」は「動く」、「ばったい」は「ばったり」の転訛で、「いごっばったいせん」は、全く動かないさまを表す成句です。
【用例】
 なんどんセルを回しごってや、ごろいと、いごっばったいせんごなった。(何度もセルモーターを回していたら、とうとう、全く動かなくなった。)

いこもっ
【意味】
 炒粉餅(いりこもち)
【由来/語源】
 炒った糯米でつくるから「炒り粉餅」が転訛して、「いこもっ」になりました。鹿児島銘菓です。
【用例】
 お祖父さんのおひじゃんで、いこもつしこもした。(お祖父さんの命日だから、炒粉餅を作りました。)

いごん
【意味】
 遺言
【由来/語源】
 「遺言」の転訛です。
【用例】
 いごんをのこせっいっで、おいがけしんだとか、きょででいさこわじ、なかゆわけよ。(遺言を残しておくから、俺が死んだ時は、兄弟で争わずに、仲良く分けなさいよ。)

いさいもと
【意味】
 日暮れ・夕方
【由来/語源】
 「夕去り元」の転訛。「ゆ」は、しばしば「い」に転訛します。
【用例】
 おなごんこが、いさいもて、出っさるっもんじゃなかが。(女の子が、夕方に出歩くものではないぞ。)

いさけ
【意味】
 争い・喧嘩
【由来/語源】
 「諍(いさか)い」の転訛。
【用例】
 「みといさけ(夫婦喧嘩)」、「さけいさけ(境界争い)」、「みっいさけ(取水権争い)」などがあります。

いさこ
【意味】
 争う・喧嘩する
【由来/語源】
 「諍(いさか)う」の転訛です。
【用例】
 きょでしていさこやんな。(兄弟で喧嘩をするな。)

いしきい
【意味】
 石工・石切屋
【由来/語源】
 「石切り」の転訛です。
【用例】
 こんごら、納骨堂がはやいじゃんで、いしきいもすっのなした。(最近は、納骨堂が流行りだから、石材店も少なくなりました。)

いしきいどん
【意味】
 石工
【由来/語源】
 「石切り殿」の転訛です。
【用例】
 石橋公園の五石橋は、元は、肥後のいしきいどん、岩永三五郎が作ったとじゃんさ。(石橋公園の五石橋は、元は、肥後の石工、岩永三五郎が作ったんですよ。)

いじくっ
【意味】
 弄る・弄くる
【由来/語源】
 「弄(いじく)る」の転訛です。
【用例】
 授業中に、鼻をいじくんな。(授業中に、鼻をいじくるな。)

いした・いしたよー
【意味】
 冷たいものに触れたときに発する声・汚いものを見聞きして、驚いた時に発する声
【由来/語源】
 「い、冷し」の転訛か?「いした」自体が、出自不詳の感動詞か?
【用例】
 いしたよー。きっさんか。(あれまー。汚らしい。)

いしたはら
【意味】
 しまった!
【由来/語源】
 「いした」に、感動詞「あら」の転訛、「はら」のついたものです。
【用例】
 いしたはら!スタっけわすれちょとたがみれ。(しまった!すっかり忘れていたよ。)

いじっ
【意味】
 弄る
【由来/語源】
 「弄(いじ)る」の転訛です。
【用例】
 やめっかあな、さえんばっけどんいじいかたじゃすと。(退職後は、家庭菜園などをいじっているんです。)

いしびんた
【意味】
 石頭・頑固者
【由来/語源】
 「石頭(びんた)」の転義です。「びんた」の「びん」は、「鬢」に接尾語の「た」がついたものの転義です。
【用例】
 いしびんたやんで、のさんない。(石頭だからやっかいだなあ。)

いしょ
【意味】
 着物・衣装
【由来/語源】
 「衣装」の転訛です。
【用例】
 にかいしょをこてもろて、よかなあー。(新しい衣装を買ってもらっていいですねー。)

いしれん
【意味】
 つまらい・くだらない
【由来/語源】
 由来は「知らない」という意味の「え知れぬ」が訛ったことばです。知らなければ心に留めることもないので「つまらない」という意味で使われるようになりました。 
【用例】
  

いじんめい
【意味】
 妙円寺参り
【由来/語源】
 「伊集院参り」の転訛です。「めっさあめい」とも言い、これは徳重神社の御祭神「島津義弘公」の戒名、「妙円寺殿松齢自貞庵主」の「妙円寺様」の転訛したものです。
【用例】
 きゅは、いじんめいいたっ、いじゅいんマンジュをこてもどいかたじゃした。(今日は、妙円寺参りに行って、伊集院饅頭を買って帰りました。)

いずらめ
【意味】
 行儀
【由来/語源】
 「居面構え」の転訛です。
【用例】
 いずらめがわいと、親が言わるっで、ハシとしつけやいお。(行儀が悪いと、親が言われるから、ビシッと躾けなさいよ。)

いせめい
【意味】
 お伊勢参り
【由来/語源】
 「伊勢参り」の転訛です。
【用例】
 いっしょい、いっどぐらいは、いせめいいこごあんさ。(一生に一度ぐらいは、伊勢参りに行ってみたいです。)

いそがし・いそがしか
【意味】
 忙しい
【由来/語源】
 「忙しい」の転訛です。
【用例】
 いそがしかとか、でっきっくれんでん、よすごあんで。(忙しい時は、出て来てくれなくてもいいですから。)

いそっ
【意味】
 急ぐ
【由来/語源】
 「急ぐ」の転訛です。
【用例】
 【ことわざ】「急っ鍋、たぎらず」急いては事を仕損じる。慌てる乞食は貰いが少ない。と同様のことわざです。 

いた
【意味】
 行った・逝った
【由来/語源】
 「行った」、「逝った」の転訛です。
【用例】
 いたとか、ごれをゆちょけよ。(行った時は、お礼を言っておけよ。)

いたいもね
【意味】
 無礼な・だらしない
【由来/語源】
 「至も無い」が訛ったことばです。 
【用例】
 いたいもねないで、出っさるきゃんななー。(だらしない格好で、出歩かないで下さいねー。 

いたか・いて
【意味】
 痛い
【由来/語源】
 「痛い」の転訛です。
【用例】
 つんぶしがいとし、へっち立っちゃがいがなんさんとお。(膝が痛くて、サッと立ち上がれないんですよ。)

いたか・いて
【意味】
 風呂の湯が熱い
【由来/語源】
 お風呂のお湯が熱いと、痛く感じることから、鹿児島では、「いたか。いて」と表現します。「痛い」の転訛です。
【用例】
 いたかとか、うんべやんせ。(風呂のお湯が暑い時は、うめて下さい。)

いたぐら・いたぐらめ
【意味】
 胡坐(あぐら)
【由来/語源】
 「いたぐら」の「いた」は「板」、「ぐら(座)」は、「高御座(たかみくら))」や「枕」の「くら」と同じく、高いところに設けられた場所の意味です。元は、貴族などの高貴な身分の方々座る場所な道具を「あぐら」と呼んでいました。
【用例】
 ゆるいといたぐらをかっきゃんせ。(ごゆるりと、胡座をかいてください。)

いたしっばれ
【意味】
 結婚披露宴のあとの二次会
【由来/語源】
 「板敷払い」が訛ったことばです。「板敷払い」の「板敷」は「舞台」の意味があります。披露宴という舞台が終わり片付(払い)をすることを「板敷払い」と言います。 
【用例】
  

いたじゃんせん
【意味】
 板三味線
【由来/語源】
 「板三味線」の転訛です。「ゴッタン」のことです。
【用例】
 わげで、しゃんせんのけこは、いたじゃんせんでしかたじゃ。(家で、三味線の稽古は、板三味線でしています。)

いたっおじゃんせ
【意味】
 いってらっしゃいませ
【由来/語源】
 「いたっ」は「行って」の転訛、「おじゃんせ」は、補助動詞として使われ、「いたっ」を丁寧に表現しています。
【用例】
 おやっとさあごあんそ。いたっおじゃんせ。(おつかれさまです。いってらっしゃいませ。)

いたっきもす・いたっきもんで
【意味】
 行ってまいります
【由来/語源】
 「行って来申す。」の転訛です。
【用例】
 いたっきもんで。(行って来ます。)

いたっくっで・いたてくっで
【意味】
 行ってくるから
【由来/語源】
 「行って来るから」の転訛です。
【用例】
 いめしんいおをついけいたっくっで、まっちょれよ。(晩ごはんの魚を釣りに行って来るから、待っておれよ。)

いためむん・いためもん
【意味】
 炒め物
【由来/語源】
 「炒め物」の転訛です。豆腐が入ると、「炒(い)いたくい」になります。
【用例】
 きゅのかてもんな、あいえもんで、やせんいためもんじゃした。(今日のおかずは、あり合わせのもので、野菜の炒め物でした。)

いたらん
【意味】
 つまらない・くだらない
【由来/語源】
 「至らぬ」の転義、転訛です。
【用例】
 いたらんこつゆちょらんで、はよ、ばんのこつせんか。(くだらないことを喋ってないで、早く、夕食の支度をしないか。)

いたらんこっ
【意味】
 つまらないこと・くだらないこと
【由来/語源】
 「至らぬこと」の転義、転訛です。
【用例】
 いたらんこっがあしたどん、忘れやんせ。(つまらないトラブルがありましたが、忘れてください。)

いたん
【意味】
 痛み
【由来/語源】
 「痛み」の転訛てす。
【用例】
 くすゆぬだや、いたんがやんだごちゃ。(薬を飲んだら、痛みが止んだみたいだ。)

いたんま
【意味】
 板の間
【由来/語源】
 「板の間」の転訛です。
【用例】
 いたんまは、足がいてかんそで、なかえせえ、あがいやんせ。(板の間は足が痛いでしょうから、中座敷にお上り下さい。)

いちいづか
【意味】
 一里塚
【由来/語源】
 「一里塚」の転訛です。
【用例】
 「かどまっは  めいどんたっの  いちいづか  めでたっもあい  めでたっものし」(「門松は 冥土の旅の  一里塚  めでたくもあり  めでたくもなし」かの、一休さんの痛烈な皮肉のこもった狂歌です。)

いちえんがっもね
【意味】
 一円の価値もない・全く価値がない
【由来/語源】
 「一円方(いちえんがた)もない」または、「一円価値もない」の転訛です。
【用例】
 そんた、いちえんがっもねが。(それは、全く価値がないぞ。)

いちんち
【意味】
 一日
【由来/語源】
 「一日」の転訛です。
【用例】
 きゅは、いちんち、ねおした。(今日は、1日寝ていました。)

いっ
【意味】
 市・市場
【由来/語源】
 「市(いち)」の転訛です。
【用例】
 いっが立っで、みいけいたっみろかい。(市が立つので、見に行ってみようかな。)

いっ
【意味】
 行く
【由来/語源】
 「行く」の転訛。
【用例】
 かっどみけ、いっが。(映画を観に行こうよ。)

いっ
【意味】
 逝く
【由来/語源】
 「逝く」の転訛です。
【用例】
 おやっも、おっかはんも、いっもした。(父も母も亡くなりました。)

いっ
【意味】
 息・呼吸
【由来/語源】
 「息」の転訛です。
【用例】
 きざがたこして、いっがきれた。(階段が急で、息が切れた。」

いっ
【意味】
 一・一番
【由来/語源】
 「一」の転訛です。
【用例】
 いっのどし(親友)理由は、「一の同志」、すなわち親友のことです。

いっ
【意味】
 勢い・威勢
【由来/語源】
 「勢い」の転訛です。
【用例】
 チェスト行けー!そん応援で、いっがちた。(チェスト行けー!その応援で勢いづきました。)

いっ
【意味】
 要る
【由来/語源】
 「要る」の転訛です。
【用例】
 こん本が、いっか?いっとか、くるっで。(この本が要るかい?いる時はあげるよ。)

いっ
【意味】
 何時・いつ
【由来/語源】
 「いつ」の転訛です。
【用例】
 いっかあ、こげんあっとや?(いつからこんなにあるのですか?)

いっかあ
【意味】
 いつから
【由来/語源】
 「いつから」の転訛です。
【用例】
 いっかあ、こげんあっとな?(いつから、こんなにあるのですか?)

いっかくい・いっかくっ
【意味】
 水などをかける
【由来/語源】
 「いっ」は接頭語、「かくい」は「掛ける」の転訛です。
【用例】
 庭木いみずいっかくい。(庭木に水を掛ける。)

いっかすい・いっかすっ・ゆっかすっ
【意味】
 言い聞かせる・教える
【由来/語源】
 「言い聞かせる」の転訛です。
【用例】
 あたいは、ゆ、わかいもはんで、いっかせったもんせ。(私はよく分からないので、教えて下さいませ。)

いっがね
【意味】
 指輪
【由来/語源】
 「指金」の転訛です。「ゆ」は「い」に転訛しやすく、「指」は、「いっ」と言います。
【用例】
 結婚したとっの、いっがねは、どっかせいかやいまぐらけっ、みしけだしもはん。(結婚した時の指輪は、どこかに置き忘れて、見つけ出せません。)

いっかやす
【意味】
 ひっくり返す
【由来/語源】
 「いっ」は強意の接頭語、「かやす」は「返す」の転訛です。
【用例】
 ちょっしもた!そゆびんぬいっかやせっしもた。(しまった!醤油瓶をひっくり返してしまった。)

いっき
【意味】
 直ぐに
【由来/語源】
 「一気」の転義です。
【用例】
 いっきしっくいやっち、いやったて、いっこじゃしっくいやれんが。(すぐにしてくれると言われたのに、一向にしてくれないよ。)

いっきしん
【意味】
 即死する
【由来/語源】
 「いっ」、「き」を「しん(死ぬ)」の意味を強めるための接頭語とも取れますし、「いっき(一気に)」が付いたものとも考えられます。
【用例】
 とないのおじさんな、事故で、いっきしんみゃったげな。(となりのおじさんは、事故で、即死されたそうだ。)

いっきっ
【意味】
 行ける
【由来/語源】
 「行き切る」の転訛です。
【用例】
 そこずい、いっきっがないや?(そこまで行けるかい?)

いっきな
【意味】
 ともすると・どうかすると
【由来/語源】
 「一気には」の転義、転訛です。
【用例】
 いっきなわやくいやい。(ともすると、冗談を言われる。)

いっきゃがっ
【意味】
 蘇生する
【由来/語源】
 「生き上がる」の転訛です。
【用例】
 今は、AEDがあっで、心臓がひっ止まってん、いっきゃがいごっないもした。(今は、AEDがあるから、心臓が止まっても、蘇生するようになりました。)

いっきょ
【意味】
 行き合う
【由来/語源】
 「行き合う」の転訛です。
【用例】
 天文館にけもんに行ってや、ひょかっ、どしといっきょもした。(天文館に買い物に行ったら、ひょっこり、友達と会いました。)

いっぎれ
【意味】
 息切れ
【由来/語源】
 「息切れ」の転訛
【用例】
 「ひさしぶりに走ったら いっぎれ した」(ひさしぶりに走ったら 息切れ した)

いっぎれまっぎれ
【意味】
 息の切れるくらい力を入れるさま
【由来/語源】
 「いっぎれ」は、「息切れ」の転訛で、「まっぎれ」は添え語で、韻を踏んで、面白い表現になっています。
【用例】
 いっぎれまっぎれ、せーせゆながら、わけしたちちっいっもしてや、すったいだれもした。(精一杯、息を切らしながら、若い人達に付いて行きましたら、すっかり疲れました。)

いっきんこんめ
【意味】
 直ぐに・じきに
【由来/語源】
 「一気の小間に」の転訛です。
【用例】
 いっきんこめ、うったたんか。(直ぐに取り掛からないか。)

いっくやす
【意味】
 壊す
【由来/語源】
 「いっ」は接頭語で、「くやす」は「崩す」の転訛です。
【用例】
 ぶちほととが、小屋をこそくっ、いっくやした。(不器用な親父が、小屋を修理して、壊した。)

いっぐるし
【意味】
 息苦しい
【由来/語源】
 「息苦しい」の転訛です。
【用例】
 かった、胸がいっぐるしごあったで、明日は医者どんにかかっみらんなら。(なんだか胸が息苦しいようにあったので、明日はお医者さんにかかってみよう。)

いっげ
【意味】
 勢い
【由来/語源】
 「勢い」の転訛です。
【用例】
 いっげがあっ。(勢いがある。)

いっけ
【意味】
 親類・親戚・一家
【由来/語源】
 「一家(いっけ)」の意味です。
【用例】
 いっけがそろっ、かたいよ。(一族が揃って話し合う。)

いっこ・いっこじゃ
【意味】
 一向に・ちっとも
【由来/語源】
 「一向」の転訛です。
【用例】
 いっこ進まん。(一向に進まない。)

いっこっ
【意味】
 頑固・頑固者
【由来/語源】
 「一刻」の転訛です。
【用例】
 あんじさんな、いっこっじゃっ。(あの爺さんは、頑固だ。)

いっごっさっご・いっごっさっごっ
【意味】
 行く先々・やることなすことすべて
【由来/語源】
 「行く毎先毎」の転訛です。
【用例】
 いっごっさっごっ、ふがわい。(やることなすことすべて、運が悪い。)いっごっさっごっ、あめたたられた。(行く先々で、雨に祟られた。)

いっこっびよい
【意味】
 降るようで降らない天気
【由来/語源】
 「一石日和」の転訛です。五斗と五斗を足すと一石になるので、照るが五斗、降るが五斗、すなわち降りそうで降らない微妙な天気のことを言います。
【用例】
 ていもせんが、ふいもせん。うんどかいなよかひよいなした。(照りもしないけど、降りもしない。運動会にはいい日和になりました。)

いっこっむん・いっこっもん
【意味】
 頑固者
【由来/語源】
 「一刻者」の転訛です。
【用例】
 いっこっもんじゃっで、どしけゆてん、きっもんじゃごあんさん。(頑固者だから、どんなに言っても聞くものではありません。)

いっこぼす
【意味】
 水などをこぼす
【由来/語源】
 「零(こぼ)す」に、強意の接頭語「いっ」がついたものです。
【用例】
 しもた!みずいっこぼした。(しまった!水をこぼした。)

いっさき・いっさ
【意味】
 戦・戦争
【由来/語源】
 「戦(いくさ)」の転訛です。
【用例】
 いっさならんなよかどんなあ。(戦争にならなければならいいけどねえ。)

いっさっ
【意味】
 行き先
【由来/語源】
 「行き先」の転訛です。
【用例】
 ミステリー列車は、いっさっが分からん。(ミステリー列車は、行き先が分からない。)

いっしゅまっ
【意味】
 種を一升撒く広さの田
【由来/語源】
 「一升蒔き」の転訛です。
【用例】
 いっしゅまっの田やんで、も、やがっ済んもそだい。(一升蒔きの田ですから、もうやがて済むでしょう。)

いっじょい
【意味】
 一様に
【由来/語源】
 「一様に」の転訛です。
【用例】
 ひとんしといっじょいせんな、わろわるっど。(他の人と一様にしないと、笑われるよ。)

いっしょき
【意味】
 一緒に
【由来/語源】
 「一緒に」の転訛です。
【用例】
 いっしょき行っが。(一緒に行こうよ。)

いっしょけんめ
【意味】
 一生懸命・一所懸命
【由来/語源】
 「一生懸命」、「一所懸命」の転訛です。
【用例】
 いっしょけんめ、気張らんなうからんど。(一生懸命頑張らないと、合格しないよ。)

いっしれん
【意味】
 つまらぬ・余計な
【由来/語源】
 「得知れぬ」の転訛です。
【用例】
 なゆ、いっしれんこつ語っちょいか。(何を下らないことを語ってるか。)

いっす
【意味】
 一升
【由来/語源】
 「一升」の転訛です。
【用例】
 いっすびん(一升瓶)

いっすい・いっすっ
【意味】
 行き違う・気付かずにすれ違う
【由来/語源】
 「行き摺る」または、「行き過ぐ」の転訛です。
【用例】
 気がちかじ、いっすった。(気が付かずに行き違った。)

いっずい・いっづい
【意味】
 いつまで
【由来/語源】
 「何時(いつ)」に限度を表す「ずい(迄の意)」が付いたものです。
【用例】
 いっずい仕上げればよかしか?(いつ迄に仕上げればいいですか?)

いっずいでん・いっづいでん・いっついまっとでん
【意味】
 いつまでも
【由来/語源】
 「何時通りでも」の転訛です。
【用例】
 いっついまっとでん、こどんじゃなかで、かんげをしやいお。(いつまでも子供じゃないんだから、考えなさいよ。)

いっずいとんの・いっづいとんの
【意味】
 いつまでも
【由来/語源】
 「何時通り迄も」の転訛です。
【用例】
 いっついどんのあすおらじ、ねえちゃんのかせをせんや。(いつまでも遊んでいないで、姉ちゃんの手伝いをしなさい。)

いっずいも・いっづいも
【意味】
 いつまでも
【由来/語源】
 「何時通りも」の転訛です。
【用例】
 いっづいもゲームをしちょっ。(いつまでもゲームをしている。)

いっすん
【意味】
 少しも・全然
【由来/語源】
 由来は「一寸(いっすん・ちょっと)」です。「ちょっと」という意味が変化して「いっすん」になりました。 
【用例】
  

いっせんがっもなか・いっせんがっもね
【意味】
 一銭の価値もない・無価値である
【由来/語源】
 「一銭方も無い」の転訛です。「がっ」は、「方(かた)」の転訛で、程度を表します。
【用例】
 そんた、いっせんがっもね。(それは、全く価値がない。)

いっそんこち・いっそんこて
【意味】
 いっそのこと
【由来/語源】
 「一層のこと」の転訛です。
【用例】
 いっそんこて、売っほが、ゆあねや?(いっそのこと、売った方がいいんじゃないか?)

いったいもどったい
【意味】
 行ったり来たり
【由来/語源】
 「行ったり戻ったり」の転訛です。
【用例】
 いったいもどったい、おてちかん。(行ったり戻ったり、落ち着かない。)

いっださん
【意味】
 行く暇がない
【由来/語源】
 「行き出さぬ」の転訛です。
【用例】
 いそがしゅし、ほねつっいっださん。(忙しくて、整骨院に行く暇がない。)

いっだまし
【意味】
 性根・思慮分別
【由来/語源】
 「いっ」は、強意の接頭語、「だまし」は、魂の転訛です。
【用例】
 いっだます入れっ、きばらんか。(性根を据えて頑張れ。)

いっだましきっ
【意味】
 利口・利口な子
【由来/語源】
 「いっ」は、強意の接頭語、「たましきっ」は、「魂利き」の転訛です。
【用例】
 ゆ、しがなったねー。いっだましきっじゃが。(よく出来たねー。お利口さんだね。)

いっだましゅいるっ・いっだますいるっ
【意味】
 一生懸命になる
【由来/語源】
 「いっ」は、強意の接頭語、「だましゅいるっ」は、「魂を入れる」の転訛です。
【用例】
 いっだましゅいれっ、きばれよ。(気合いを入れて、頑張れよ。)

いっだん
【意味】
 一層・一段と
【由来/語源】
 「一段」の転訛です。
【用例】
 いっだん、さみないもした。(一段と寒くなりました。)

いっぢごっ
【意味】
 生き地獄
【由来/語源】
 「生き地獄」の転訛です。
【用例】
 いっぢごっのよなくらすおくっ。(生き地獄のような暮らしを送る。)

いっちにっ
【意味】
 一日中
【由来/語源】
 「一日」の転訛です。
【用例】
 いっちにっ、かかった。(一日中かかった。)

いっちゃ
【意味】
 一円・僅かの価値
【由来/語源】
 「一銭(いっちぜん)」の約転です。
【用例】
 【ことわざ】いっちゃもぜんじゃ(一円でも、お金はお金だ)

いっちゃ
【意味】
 ひとつ・一つ
【由来/語源】
 「一(いっち)」の転訛です。
【用例】
 いっちゃもね。(一つもない。)

いっちゃがっもなか・いっちゃがっもね
【意味】
 一文の価値もない・値打ちがない
【由来/語源】
 「いっちゃ」は、古語「一(いっち)」の転訛で、一文銭の意味、「がっ」は、「方(かた)」の転訛で、程度を表し、「ほど」の意味です。
【用例】
 そんた、いっちゃがっもねたっで、うっせやい。(せれは、価値がないから捨てなさい。)

いっちゃぜん
【意味】
 一文銭・価値の低いお金
【由来/語源】
 「いっちゃ」は、古語「一(いっち)」の転訛で、「ぜん」は、「銭」の転訛です。
【用例】
 いっちゃぜんももたん。(わずかなお金さえ持たない。)

いっちゃびら・いっちょびら
【意味】
 一張羅・よそいきの服
【由来/語源】
 「一張羅」の転訛です。
【用例】
 いっちゃびらをきっ、でっじかった。(一張羅を着て、出て行かれた。)

いっちゃん
【意味】
 少しも・全然
【由来/語源】
 同じ意味の「いっすん」が訛ったことばです。「一」を促音化して、意味を強めた「いっち」に「も」が付いて、「一つも」の意味です。 
【用例】
 いっちゃん、きこたせん。(少しも聞こうとはしない。)

いっちゃん・いっちょん
【意味】
 ちっとも・一つも
【由来/語源】
 古語「一(いっち)も」の転訛です。
【用例】
 いっちゃんべんきょをせんかったて、うかいもした。(少しも勉強をしなかったのに、合格しました。)

いつっ
【意味】
 五つ
【由来/語源】
 「五つ」の転訛です。
【用例】
 いつっ、むつっどまくいやいお。(5、6個ぐらいは下さいよ。)

いっづくい
【意味】
 活造り
【由来/語源】
 「活き造り」の転訛です。
【用例】
 えっがねんいっづくい(伊勢海老の活き造り)

いつっご
【意味】
 五歳児
【由来/語源】
 「五つ児」の転訛です。
【用例】
 いつっごいなれば、おやがたまがっよな言葉をつこたいしもんさ。(5歳児になれば、親がビックリするような言葉を使ったりしますよ。)

いっつっ
【意味】
 追いつく・行き着く
【由来/語源】
 「行き着く」の転訛です。
【用例】
 よいなこて、いっついた。(ようやく追いついた。)

いっづまい
【意味】
 息詰まり・窒息
【由来/語源】
 「息詰まり」の転訛です。
【用例】
 もつ、のでひっかけっ、いっづまいでけしんみゃったげな。(餅を喉に引っかけて、息詰まりで亡くなったそうです。)

いっづまい
【意味】
 行き詰る
【由来/語源】
 「行き詰まる」の転訛です。
【用例】
 いっづまっしももした。(行き詰まってしまいました。)

いっづらんにき
【意味】
 面憎い
【由来/語源】
 「いっ」は、強意の接頭語、「づらんにき」は、「面の憎い」の転訛です。
【用例】
 いっづらんにきわろ(面憎い奴)

いっで
【意味】
 一代・一生
【由来/語源】
 「一代(いちだい)」が訛ったことばです。 
【用例】
 せかせかどんも一代、まめくしどんも一代(鹿児島のことわざ。性格がせかせかな人でもまめくし(のんびり)でも。「どんな性格の人でも1度しか生きられない」という意味です。 

いっでぐん
【意味】
 一味・仲間
【由来/語源】
 「一手組」の転訛です。
【用例】
 ぬしとんいっでぐん(窃盗団の一味)

いっでもん・いっでむん
【意味】
 一生使える物
【由来/語源】
 「一代物(いちだいもの)」が訛ったことばです。生涯にわたって使える物や長持ちする品を「一生物」と言います。鹿児島では「一代物」とも言います。 
【用例】
 せかせかどんも一代、まめくしどんも一代(鹿児島のことわざ。性格がせかせかな人でもまめくし(のんびり)でも。「どんな性格の人でも1度しか生きられない」という意味です。 

いっでん
【意味】
 いつでも
【由来/語源】
 「いつでも」が訛ったことばです。 
【用例】
 いっでん よかど(いつでも良いよ) 

いっでんかっでん
【意味】
 いつでも・しょっちゅう
【由来/語源】
 由来は「いっでん」+「かっでん」。「いっでん」は「いつでも」が訛ったことば。「かっでん」は「いっでん」を強調するための表現です。 
【用例】
 おはんな いっでんかっでん しょつ ばっかい 飲んじょらい(あなたはいつでも焼酎ばっかり飲んでるね) 

いっど
【意味】
 一度
【由来/語源】
 「一度」の転訛です。
【用例】
 いっどどま、がいこっりょこい、いこごちゃいなあ。(一度ぐらいは、外国旅行に行ってみたいなあ。)

いっとか
【意味】
 暫くは・一時は
【由来/語源】
 「一時(いっとき)は」の転訛です。
【用例】
 ずんばいこっきたで、いっとかもつっどだい。(たくさん買って来たから、しばらくはもつだろう。)

いっとがめ
【意味】
 大酒のみ・酒豪
【由来/語源】
 「一斗甕」の転義です。
【用例】
 あんた、いっとがめじゃっで、のんほでプランがゆあねや?(あいつは、大酒飲みだから、飲み放題プランがいいんじゃない?)

いっどき
【意味】
 一度限り
【由来/語源】
 「一度切り」の転訛です。
【用例】
 いっどきじゃっで、ゆ、みちょれよ。(一度限りだから、よく見ておけよ。)

いっどき
【意味】
 一緒に・一時に・同時に
【由来/語源】
 「一時(いちどき)に」の転訛です。
【用例】
 帰りもまた、いっどきなした。(帰りもまた、一緒になりました。)

いっとくい
【意味】
 消える・溶ける
【由来/語源】
 「溶ける」に、強意の接頭語の「いっ」が付いたものです。
【用例】
 はよ冷蔵庫い入れんな、いっとくいが。(早く冷蔵庫に入れないと、溶けてしまうよ。)

いっとくっ
【意味】
 躓く・けつまづく
【由来/語源】
 「いっ」は、強意の接頭語、「とくっ」は、「解くる」の転訛です。
【用例】
 いすふん、いっとくっ。(石を踏んで、けつまづく。)

いっどっ
【意味】
 一時・同時
【由来/語源】
 「一時(いちどき)」の転訛です。
【用例】
 ないもかいも、いっどっなした。(何もかもが一度になりました。)

いっとっ
【意味】
 暫時・一時・寸時
【由来/語源】
 「一時(いっとき)」の転訛です。
【用例】
 いっとっ、まっちゃい。(ちょっと、待ってください。)

いっとっばっかい
【意味】
 暫くの間
【由来/語源】
 「一時(いっとき)ばかり」の転訛です。
【用例】
 いっとっばっかい、まっちゃったもはんか。(しばらくの間、待っていただけませんでしょうか。)

いっどでん
【意味】
 一度でも
【由来/語源】
 「一度でも」の転訛です。
【用例】
 いっどでんしたらやっせんど。(一度でもしたらダメだぞ。)

いっにき・いっにっか
【意味】
 行き難い・行きづらい
【由来/語源】
 「生きにくい」の転訛です。
【用例】
 むかっ、けんけなしたで、がっついいっにっかんさ。(昔、喧嘩になったので、本当に行きにくいですよ。)

いっねん
【意味】
 一年
【由来/語源】
 「一年」の転訛です。
【用例】
 いっねんつあ、はえもんごあんさ。(一年というのは、早いものですね。)

いっねんぼ
【意味】
 一年生
【由来/語源】
 「一年坊主」の転訛です。
【用例】
 いっねんぼが、にかランドセルをからっ、がっこいいっ。(一年生が、新しいランドセルを背負って、学校に行く。)

いっのこっ
【意味】
 とうの昔・ずっと前・いつの事
【由来/語源】
 「いつの事」の転訛です。
【用例】
 そんた、いっのこっじゃったどかいねー。(それは、いつの事だったろうかねー。)

いっのこっ
【意味】
 生き残る
【由来/語源】
 「生き残る」の転訛です。
【用例】
 いっさいまけっ、いっのこったどん、こげなこっなあ、あたいも戦死すれあよかったがみれ。(戦争に負けて生き残ったけど、こんなことなら、私も戦死すればよかったがよ。)

いっのこめ
【意味】
 いつの間に
【由来/語源】
 「いつの小間(こま)に」が訛ったことばです。「小間」は「少しの間・合間」ということです。 
【用例】
 いっのこめ、おしやしたな?(いつの間にされたんですか? 

いっのさっ
【意味】
 指先
【由来/語源】
 「指の先」の転訛です。「ゆ」は、しばしば「い」に転訛します。
【用例】
 いっのさき、じっち、力を入れんとやっせんど。(指先にぐっと力を込めないとダメだよ。)

いっのて
【意味】
 奥の手
【由来/語源】
 「一の手」の転訛です。
【用例】
 いっのてを、だせっきもしたなあ。(奥の手を出してきましたねー。)

いっのどし
【意味】
 親友
【由来/語源】
 「一の同士」の転訛です。
【用例】
 あいとな、いっのどしじゃっで、たのんいっが。(あいつとは親友だから、頼んでおくよ。)

いっのはぜ
【意味】
 いつの間に
【由来/語源】
 「いつの狭間に」の転訛です。
【用例】
 いっのはぜ、おしやしたな?(いつの間にされたんですか?)

いっはじっ・いっぱじっ
【意味】
 行きそびれる
【由来/語源】
 「行き外す」の転訛です。
【用例】
 かかいがわるして、ごろいとしょがっのえさつ、いっぱじた。(交通の便が悪くて、とうとう正月の挨拶に行きそびれた。)

いっばん
【意味】
 一番
【由来/語源】
 「一番」の転訛です。
【用例】
 はしいぐらごで、いっばんじゃった。(徒競走で、一番だった。)

いっばんぐっ・いっばんさっ
【意味】
 最初
【由来/語源】
 「いっばんぐっ」は、「一番口」、「いっばんさっ」は、「一番先」の転訛です。
【用例】
 いっばんぐっいかんな、目玉商品なねごなっど。(一番先に行かないと、目玉商品は無くなるよ。)

いっぴゅ
【意味】
 一俵
【由来/語源】
 「一俵」の転訛です。
【用例】
 いっぴゅをかつっがなれや、たいしたもんじゃが。(米一俵を担げたら、大したもんだよ。)

いっぴゅ
【意味】
 一票
【由来/語源】
 「一票」の転訛です。
【用例】
 けねで、いっぴゅどま、まわせっやらんならねー。(家族で、一票ぐらいは回してあげようかねー。)

いっぺ
【意味】
 一面に
【由来/語源】
 「一杯」の転義、転訛です。
【用例】
 うぜけんいっぺ、はずめっさるっ。(世間中に、恥を晒して回る。)

いっぺ
【意味】
 一杯
【由来/語源】
 「一杯(いっぱい)」が訛ったことばです。 
【用例】
 一杯(いっぺ)飯ゃ食うな(鹿児島のことわざ。地方によっては死者とのお別れのときに一杯だけご飯を食べます。「一杯だけのご飯は縁起が悪いので二杯目を食べなくても茶碗によそったふりをしなさい」という意味です) 

いっぺ
【意味】
 一生懸命
【由来/語源】
 「精一杯」の上略、「一杯」の転訛です。
【用例】
 ぜんといじゃっで、いっぺきばらんか。(金稼ぎだから、一生懸命頑張らないか。)

いっぺこっぺ
【意味】
 あちらこちら・方々
【由来/語源】
 「いっぺ」は、「一杯」の転訛で、あちこちいっぱいの意味です。「こっぺ」は、韻を踏ませるために添えた言葉です。
【用例】
 いっぺこっぺさるもしてや、すったいだれもした。(あちらこちら歩き回りましたら、すっかり疲れました。)

いっぽ
【意味】
 一方・片方
【由来/語源】
 「一方」の転訛です。
【用例】
 いっぽばっかいみおらじ、まんぼとめみらんか。(片一方ばかり見てないで、両方とも見ないか。)

いっぽぎっ・いっぽぎった
【意味】
 一方的・頑固者
【由来/語源】
 「一方聞き」の転訛です。
【用例】
 いっぽぎっじゃっで、いっすんきかん。(頑固者だから、ちっとも聞かない。)

いっぽぐっ
【意味】
 片方の言い分
【由来/語源】
 「一方口」の転訛です。
【用例】
 いっぽぐっばっかいきたち、やっせんど。(片方の言い分だけ聞いたってダメだよ。)

いっぽむき
【意味】
 ひたすらに・一途に
【由来/語源】
 「一方向きに」の転訛です。
【用例】
 いっぽむきしやんな。(根を詰めてしなさんな。)

いっめ
【意味】
 一枚
【由来/語源】
 「一枚」の転訛です。
【用例】
 いっめが、10円じゃんど。(一枚が10円ですよ。)

いっもかっも
【意味】
 いつも・常に
【由来/語源】
 「いっも」は、「何時も」の転訛、「かっも」は、強意のための添え語です。
【用例】
 いっもかっもあいわけじゃなかど。(いつでもあるわけではないよ。)

いっもどい
【意味】
 行き帰り・往復
【由来/語源】
 「行き戻り」の転訛です。
【用例】
 いっもどいどしこばっかいかかしか?(行き帰りにどのぐらいかかりますか?)

いっやし・いっやしか
【意味】
 行きやすい
【由来/語源】
 「行きやすい」の転訛です。
【用例】
 いっやしとこいじゃっで、てのんいっもそや。(行きやすい所なので、一緒に行きましょうよ。)

いて
【意味】
 熱い
【由来/語源】
 「痛い」の転義、転訛です。
【用例】
 風呂がいてとか、うんべやんせ。(風呂が熱い時は、うめてください。)

いて
【意味】
 痛い
【由来/語源】
 「痛い」の転訛です。
【用例】
 こっがいて。(腰が痛い。)

いでがいも・いでがらいも
【意味】
 薩摩芋を茹でたもの
【由来/語源】
 「茹で唐芋」の転訛です。
【用例】
 むかしゃ、いでがいもがおやつじゃしたどなあー。(昔は茹でたサツマイモがおやつでしたよねー。)

いでがれ
【意味】
 にが辛い
【由来/語源】
 「いで辛い(苦辛い)」の転訛です。
【用例】
 こん、ごいのいいたくいは、いでがれ。(この苦瓜の炒り上げは、苦辛い。)

いてもいて
【意味】
 ひどく痛い
【由来/語源】
 「痛いも痛い」の転訛です。
【用例】
 むかすねをうったや、いてもいて、なんだがでたお。(向う脛を打ったら、痛いのなんのって、涙が出たよ。)

いとうい
【意味】
 へちま
【由来/語源】
 「糸瓜」の転訛です。ヘチマには、果実に繊維があることから、「糸瓜」と呼ばれます。
【用例】
 いとういのそら(ヘチマのたわし)

いときいば
【意味】
 犬歯・糸切り歯
【由来/語源】
 「糸切り歯」の転訛です。
【用例】
 ほんのこち、いときいばで、いとをきっ。(本当に、糸切り歯で、糸を切る。)

いとこどし
【意味】
 従兄弟同士
【由来/語源】
 「従兄弟同士」の転訛です。
【用例】
 あたいといとこどしなっとじゃが、なごおちゃみらん。(私と従兄弟同士になるんですが、長く会っていません。)

いどこね
【意味】
 転寝(うたたね)
【由来/語源】
 「居処寝」の転訛です。
【用例】
 こたっで、いどこねをすっと、かぜっがひっちっが。(コタツでうたた寝をすると、風邪を引くよ。)

いとまっ
【意味】
 糸巻き
【由来/語源】
 「糸巻き」の転訛です。
【用例】
 いとまっのかせをすっ。(糸巻きの加勢をする。)

いとよいゆえ
【意味】
 女性の88歳の祝い
【由来/語源】
 「糸縒り祝い」の転訛です。昔は米寿を迎えた女性が、自分で縒った絹糸を親類に配ったことから言われています。
【用例】
 おとこんがのゆえは、とかっゆえ、おなごんがのゆえは、とかっゆえち、ゆもんさ。(男の米寿のお祝いは、斗搔き祝い、女の米寿のお祝いは、糸縒り祝いと言います。)

いなかじん・いなかむん
【意味】
 田舎者
【由来/語源】
 「田舎人」の意味、「田舎者」の転訛です。
【用例】
 東京さめいたっ、いなかじんはでんしぇのいかて、難儀をしもした。(東京に行って、田舎者は電車に乗るのに難儀をしました。)

いなかんし
【意味】
 地方出身者
【由来/語源】
 「田舎の衆」の転訛です。
【用例】
 いなかんしは、東京ん地下鉄の乗い方が分からんで、あわつっ。(地方出身者は、東京の地下鉄の乗り方が分からず、慌てる。)

いなば・いなばおご
【意味】
 お転婆娘
【由来/語源】
 「異な婆」説や、昔、意地悪な老婆を「いっのふっぼ」と呼んでいて、「いなば」に転訛したという説があります。
【用例】
 いづらめんわいかいなばおご(お行儀の悪いお転婆娘)

いなばっちょ・いなばちゃんこりん
【意味】
 お転婆娘
【由来/語源】
 「いなば」の後の「っちょ」や「ちゃんこりん」は、人に付く接尾語です。
【用例】
 まこても。いなばっちょじゃが。(本当にまあ。お転婆娘だよ。)

いなびかい
【意味】
 稲光・稲妻
【由来/語源】
 「稲光」の転訛です。
【用例】
 いなびかいが光っ。(稲光が光る。)

いね
【意味】
 厳しい
【由来/語源】
  
【用例】
 いね人じゃ。(厳しい人だ。)

いねうい
【意味】
 行商・担い売り
【由来/語源】
 「担い売り」の転訛です。
【用例】
 いねういのおばちゃんがきやしたど。(行商のおばちゃんが来られたよ。)

いねおとし
【意味】
 脱穀
【由来/語源】
 「稲落とし」の転訛です。
【用例】
 いねおとしすっ。(稲の脱穀をする。)

いねかい
【意味】
 稲刈り
【由来/語源】
 「稲刈り」の転訛です。
【用例】
 こどんの頃は、いねかいのかせ、行っもんじゃした。(子供の頃は、稲刈りの加勢に行くものでした。)

いねこずん・いねこづん
【意味】
 刈った稲を小高く積み上げたもの
【由来/語源】
 「高く積み上げる」ことを鹿児島弁で「こづん」と言います。稲を高く積み上げるので「稲こづん」です。
【用例】
 いねかいのころな、あっこそこ、いねこづんがあっ。(稲刈りの頃は、あちこちに稲こづみがある。)

いねこっ
【意味】
 脱穀
【由来/語源】
 「稲扱(こ)き」の転訛です。
【用例】
 いねこっをしたとか、しらを分けんないかんで、とんを持っ来っくれ。(稲の脱穀をした時は、空籾を分けないといけないので、唐箕を持って来てくれ。)

いねぼ
【意味】
 担い棒
【由来/語源】
 「担い棒」の転訛です。
【用例】
 いねぼをかたげてういけきやい人を、いねういちゆもんさ。(担い棒を担いで、売りに来られる人を、いねういと言います。)

いの
【意味】
 担う
【由来/語源】
 「担う」の転訛です。
【用例】
 ふたいで、かたいぐちいのきた。(二人で代わる代わる担いで来た。)

いのい・いのっ
【意味】
 祈る
【由来/語源】
 「祈る」の転訛です。
【用例】
 うかいごっ、いのっおんで、おきばいやったもんせ。(合格するように祈っていますので、頑張って下さい。)

いのっ
【意味】
 命
【由来/語源】
 「命」の転訛です。
【用例】
 いのっよか、てせっなもんなね。(命よりも大切なものはない。)

いのやんめ
【意味】
 胃痛
【由来/語源】
 「胃の病」の転訛です。
【用例】
 いのやんめいな、熊の胆がきっもんど。(胃痛には、熊の胆が効きますよ。)

いばい・いばっ
【意味】
 威張る
【由来/語源】
 「威張る」の転訛です。
【用例】
 いばいちらくっ。(威張り散らす。)

いばいごろ
【意味】
 威張る人・横柄な人
【由来/語源】
 「威張り五郎」の転訛です。
【用例】
 あんやちゃ、いばいごろやっで、みんなかあ嫌われおんど。(あいつは威張り屋だから、みんなから嫌われていますよ。)

いびい・いびっ
【意味】
 いびる・スルメなどを熱灰に入れて炙る
【由来/語源】
 「いびる」の転義、転訛です。「いびる」は本来、時間をかけて、じわじわと熱することで、「炙る」や「燻る」と同語源です。じわじわと熱を加えることから、陰湿にいじめる事を「いびる」と言うようになりました。
【用例】
 すいめをいびっ、しゅちゅんしょうけいすっが。(スルメを炙って、焼酎の肴にしようよ。)

いびっ
【意味】
 鼾(いびき)
【由来/語源】
 「鼾」の転訛です。
【用例】
 いびっがうるせ。(鼾がうるさい。)

いへ
【意味】
 位牌
【由来/語源】
 「位牌」の転訛です。
【用例】
 いへめいいっ。(位牌参りに行く。)

いへもと
【意味】
 本家
【由来/語源】
 「位牌元」の転訛です。
【用例】
 ひがんのちゅにち、いへもとせんこあげいたっきもした。(お彼岸の中日に、本家へ線香上げに行って来ました。)

いぼっくい
【意味】
 入り婿・居候
【由来/語源】
  
【用例】
  

いほで
【意味】
 言い放題
【由来/語源】
 「言い放題」の転訛です。
【用例】
 いほでゆて、もどっいかった。(言い放題言って、戻って行かれた。)

いぼどんこ
【意味】
 ひきがえる
【由来/語源】
 「いぼ」は「疣」、「どんこ」は「鈍甲」の転義で、蛙のことです。
【用例】
 いぼどんこがなっ。(ヒキガエルが鳴く。)

いまどっ
【意味】
 今ごろ
【由来/語源】
 「今時」の転訛です。
【用例】
 いまどっのわけしは、びんたんさげみっもしたんなあ。(この頃の若い人達は、頭の下げ方も知らないなあ。)

いまなれ
【意味】
 初心者・未熟者
【由来/語源】
 「今成」の意味です。
【用例】
 いまなれやんで、ゆ、いっかせやったもんせ。(未熟者ですから、よく教えてくださいませ。)

いまほだ
【意味】
 今より
【由来/語源】
 「今程は」の転訛です。
【用例】
 むかしゃいまほだくいまがうはなかした。(昔は今ほどは、車が多くはなかった。)

いみし
【意味】
 厳しい・ひどい
【由来/語源】
 古語「忌みじ」の転義、転訛です。
【用例】
 いみし先生(厳しい先生)

いみっ
【意味】
 量が増える・嵩が増す
【由来/語源】
 由来は古いことばの「い群る」です。もともとの意味は「群れて集まる」。意味が変わり訛って「いみっ」になりました。 
【用例】
 めひが、いみっ、ゆ、おみっかあ、裏を打っちゃい。(ご飯が炊けて、よく蒸らしてから、裏打ちをしなさい) 

いみらかす
【意味】
 増やす
【由来/語源】
 「いみる」は、古語「い群る」の転訛で、群れ集まることから、増えるの意味です。「いみらかす」は、他動詞で「増やす」になります。
【用例】
 ご飯をいみらかす。(ご飯を蒸し上げて量を増やす。)

いめ
【意味】
 内気
【由来/語源】
 「忌み」の転義、転訛です。
【用例】
 いめなこつゆおれば、ひてとらるっど。(内気なことを言っていれは、人に取られてしまうよ。)

いめごろ
【意味】
 内気者・はにかみ屋
【由来/語源】
 「いめ」は、「忌む」の連用形「忌み」の転訛です。「ごろ」は卑称の接尾語で、人を表わします。
【用例】
 いめごろじゃっで、スピーチがでくっどかい。(恥ずかしがり屋なので、スピーチができるかなあ。)

いめし
【意味】
 夕飯
【由来/語源】
 「夕飯」の転訛です。しばしば、「ゆ」は「い」に転訛します。
【用例】
 いめっがでけたよ。(夕飯が出来たよ。)

いめじん
【意味】
 内気者
【由来/語源】
 古語「いみじ(忌じ)」が語源で、人を表す「じん」が付いたものです。
【用例】
 いめじんやっで、人前には出ろとなしもはんがお。(内気者だから、人前には出ようとはしませんよ。)

いもっ
【意味】
 妹
【由来/語源】
 「妹」の転訛です。
【用例】
 いもっが、おさかんかいしぇ、しゅうしょっがきまいもした。(妹が、大阪の会社に就職が決まりました。)

いもどし
【意味】
 労力の返済をすること
【由来/語源】
 「結(ゆい)戻し」の転訛です。「結」とは、農漁村などの相互扶助制度で、近隣の住民達が協力して農作業などにあたります。その時に労力をもらった側は、また別の日に労力を提供してくれた人に労力でお返しします。これを「いもどし」と言います。
【用例】
 きゅは、あいがともさげもした。また、いもどしめあげもんで。(今日はありがとうございました。また、労力のお返しに伺いますから。)

いやし
【意味】
 卑しい
【由来/語源】
 「賤しい」、「卑しい」の転訛です。
【用例】
 くっがいやし。(口が卑しい。)すなわち、食い意地が張っているということです。

いやしごろ
【意味】
 食いしん坊・卑しん坊
【由来/語源】
 「賤し五郎」の転訛です。「ごろ」は卑称の接尾語です。
【用例】
 いやしごろじゃっで、バイキングなれあ、ごいと盛っ。(食いしん坊だから、バイキングになれば、ドサっと盛る。)

いら
【意味】
 草木の棘・くらげ・イラ虫・毛虫
【由来/語源】
 古語「いら(伊良の字が当ててある)」の名残りです。
【用例】
 いらがチクっちした。(トゲがチクっとした。)

いらさ
【意味】
 枝のついた竹
【由来/語源】
 「棘笹(いらささ)」の転訛です。「棘(いら)」とは、古語で「棘(とげ)」のことです。
【用例】
 いらさぼっで、はわっいけよ。(竹箒で、掃いておけよ。)

いらさばっ
【意味】
 足長蜂
【由来/語源】
 「いらさ蜂」の転訛です。「いらさ」は「棘笹(いらささ)」の転訛で、葉を落とした竹の小枝のことで、足長蜂の足に例えられています。
【用例】
 つくじれば、いらさばっがむこくっで、火であぶいころすっが。(突っつくと、足長蜂が向かって来るので、火で炙り殺そうよ。)

いらざらん
【意味】
 要らない・必要でない・余計な
【由来/語源】
 「要らざらぬ」の転訛です。
【用例】
 いらざらんこつして、寝た子を起こしたが、め。(余計なことをして、寝た子を起こしたぞ、もう。)

いらん
【意味】
 要らない・余計な
【由来/語源】
 「要らぬ」の転訛です。
【用例】
 そんた、いらん。(それは要らない。)

いらんこっ
【意味】
 余計なこと・縁起でもないこと
【由来/語源】
 「要らぬ事」の転訛です。
【用例】
 いらんこっどみかかいよわじおらんないかんど。(余計な事に関わらずにいないといけないぞ。)

いらんものごっ
【意味】
 無駄話
【由来/語源】
 「要らぬ物事」の転訛です。
【用例】
 いらんものごっどんしゃべい暇があっとあら、さっさ、しごつせんか。(無駄話をする暇があったら、さっさと仕事をしないか。)

いろひき・いろひっ
【意味】
 色艶・顔色
【由来/語源】
 「色引き」の転訛です。
【用例】
 おばっさんな、いろひっがよしゅごあんが。(おばあちゃんは、色つやがおよろしいですよ。)

いわけ
【意味】
 言い訳
【由来/語源】
 「言い訳」の転訛です。
【用例】
 いわけすんな。(言い訳をするな。)

いわしとんよか
【意味】
 言わなくてもよい・言う必要のない
【由来/語源】
 「言わなくてもいい」の転訛です。
【用例】
 いわしとんよかこつゆで、けんけなったいが。(言わなくてもいいことを言うから、喧嘩になるんだよ。)

いん
【意味】
 犬
【由来/語源】
 「犬」の転訛です。
【用例】
 いんの散歩(犬の散歩)

いんきょざっ
【意味】
 隠居の農作・定年退職後の畑作り
【由来/語源】
 「隠居作」の転訛で、「作」は、農作を意味します。
【用例】
 あたいがおやっも、定年後はいんきょざく楽しんにしちょいもした。(私の父も、定年退職後は、畑作りを楽しみにしていました。)

いんとねこ
【意味】
 不仲のこと・犬猿の仲
【由来/語源】
 犬と猫は、仲が悪いから。
【用例】
 あんふたいは、いんとねこじゃ。(あの二人は、犬猿の仲だ。)

いんのこ
【意味】
 ネコヤナギの新芽・カワヤナギ
【由来/語源】
 新芽が犬の子に似ていることから。
【用例】
 いんのこが芽立っおったで、摘ん来たが。(ネコヤナギの芽が出ていたので、摘んで来たよ。)

いんのしい
【意味】
 汚いもののたとえ
【由来/語源】
 「犬の尻」の転訛です。
【用例】
 ことっみてや、ごんやしっで、いんのしいのごっ、といちらけおした。(訪問してみたら、ごみ屋敷で、犬の尻みたいに汚く取り散らかしていました。)

いんのしびん・いんのしべん
【意味】
 三つ(箸戦用語)
【由来/語源】
 犬は後ろ足一本を上げて、オシッコをするので、残り足が三本ですから、箸戦(なんこ)で三本を表します。
【用例】
 お手ひといち、来もしたなあ。はんがた、いんのしべんじゃが、そら。(手元を一本と読んで来ましたねー。君ののは、三本だな、それ。)

いんば
【意味】
 犬歯・糸切り歯
【由来/語源】
 「犬歯」の訓読みの転訛です。
【用例】
 いんばでかんきれんや?(犬歯で噛みきれませんか?)

いんま
【意味】
 今に・後で
【由来/語源】
 「今」の転訛です。
【用例】
 そこたいで、走い回っちょっと、いんまけころばかすっどねえー。(そこらで、走り回っていると、今にも蹴転ばしてしまうがなあー。)

いんまさき・いんまさっ
【意味】
 ついさっき
【由来/語源】
 「今先」の転訛です。
【用例】
 いんまさっ、庭いおしたどんなあー。(ついさっき、庭にいましたけどねー。)

いんまのち
【意味】
 そのうちに
【由来/語源】
 「今後(いまのち)」の転訛です。
【用例】
 いんまのち、あたいがこといもんが。(そのうちに、私が訪問しましょう。)

いんめ
【意味】
 今に
【由来/語源】
 「今に」の転訛です。
【用例】
 そこであすじょっと、いんめけこればすいがねー。(そこで遊んでいると、今に物を蹴り転がしてしまうがなあ。)

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